[2008.6.12] -[議会報告]
6月6日に開催された都市環境福祉常任委員会では、下水道使用料の値上げ案について「6月議会終了後に継続して審議する」ことになりました。
日本共産党は、「来年4月から下水道使用料を11.4%値上げする案」に反対であり、今後とも中止を求めていきます。日本共産党は、下水道使用料値上げ案について、次のように考えています。
交野市は、昭和43年に市単独事業として郡津処理場を建設し、下水道事業を開始しました。大阪府の流域下水道事業の計画・実施に伴い、寝屋川北部流域下水道と淀川左岸流域下水道に計画区域が分かれ、流域関連下水道事業に変わってきました。その後、郡津処理場は平成11年に閉鎖され、交野の下水処理は枚方市と共同の「渚処理場」で97%、寝屋川など9市共同の「鴻池処理場」で3%の処理がおこなわれています。
交野市の下水道普及率は、93.4%まで進んできています。
下水処理は、天野川をはじめとする河川の汚染を防ぎ、交野の環境を守るためにも大切な事業です。ライフラインの整備として交野の町づくりに大きな位置を占めています。
今回の値上げ案は、汚水処理費に対する使用料収入の割合(経費回収率といい、現在84%)を来年から95%に引き上げるために、使用料を11.4%値上げするというものです。さらに、平成24年度には経費回収率を100%にするために、使用料を3.38%値上げしようとしています。
汚水処理費には、日常の維持管理費と下水処理場建設費用や下水管設置工事費も含まれています。下水処理場建設や下水管設置工事費などは、ライフラインの整備、環境・衛生問題の改善であり、税金でまかなう必要があります。そのため市は、毎年5億円から7億円の税金を支出してきました。
市は、税金の支出を減らし、使用料収入でまかなおうとしてますが、今まで通りの税金支出を行えば、値上げの必要はありません。
「渚処理場」では、交野市の97%を、枚方市の83%を処理しています。しかし、経費回収率を比べると、交野市は84%であるのに対し、枚方市は63%です。このことは、枚方市は、維持管理費に対する使用料収入の割合を少なくし、税金でまかなう割合が多いということです。
基盤整備などに対する一般会計からの繰入金(基準外繰入金という)は、平成18年度で交野市が2億4千万円であるのに対し、枚方市は34億円を出しています。
経費回収率を100%に引き上げるための値上げはすべきでありません。
市が昨年8月に発表した「財政健全化計画の見直しについて」では、平成23年度以降の見通しについて「人件費の削減、起債償還が順次終期を迎え、収支は徐々に改善」との旨を述べています。
また、財政健全化法にもとづく下水道特別会計の指標は、「経営健全化基準」以下の数値であり、問題がありません。
下水道事業に今まで通りの税金を支出すれば、使用料金の値上げをおこなわなくても、下水道会計は問題がありません。
市は、実質収支8億1千万円の赤字を平成30年度になくす計画をたて、使用料の値上げを計画していますが、一般会計から下水道会計に今まで通りの繰入金をおこなえば、値上げの必要はありません。
交野市の下水道使用料は、大阪府下で4番目に高い料金であり、値上げ案が実施されれば2番目に高い料金となります。
物価も値上され、社会保障の切捨てと合わせ、暮らしが大変になってきています。市民の暮らしを守るのが市政の役割ではないでしょうか。