[2009.3.26] -[議会報告]
小中学生の就学を経済的に援助する就学援助の受給者が増える中、市は今後、就学援助の「認定基準の見直しを実施」するとしています。日本共産党のさらがいふみ議員は、「親の経済状況が悪化するなか、認定基準の切り下げは許されず、制度の充実をはかるべきだ」と求めました。
就学援助は、児童の就学を援助するため、経済的に困難な家庭の小中学生に、学用品費・給食費・修学旅行費などを援助する制度です。交野市の認定基準額(4人家族で年間所得301万1千円)以下の世帯や、保護者の失業・病気など特別の事情がある場合に受給できます。交野では、年々受給者が増え、H19年度には児童全体の13.4%、小中学生のおよそ7人に1人が就学援助を受けています。
市は、「事務事業評価報告書(H19年度分)」のなかで、就学援助の対象者が増加傾向にあることから、「認定基準の見直し実施」をすすめるとしています。一般質問で、さらがい議員が「基準の見直しとは、対象者を狭める意図なのか」と質問したところ、市は「見直しの結果として、対象から外れる世帯が出ることもあり得る」と答弁しました。
日本共産党は、「不況の影響が子育て世帯を直撃するなか、認定基準を切り下げることは許されず、制度の充実をはかるべきだ」と求めました。
従来、就学援助制度は国が2分の1を補助する国庫補助事業として行われてきました。ところが小泉内閣の「三位一体の改革」により、05年度から国庫補助が廃止され(生活保護世帯への補助を除く)、国が責任を持たない一般財源化されました。国は早急に、就学援助への国庫補助を元に戻すべきです。
また、交野市の奨学金制度は、昭和48年に始められ、高校生に年間4万円、大学生に年間6万円を貸付しています(入学年は別途)。しかし、貸付額が当初から改訂されず少額のため、利用人数も年間10人前後と限られています。
日本共産党は、「高い学費の実態に見合った貸付額に引き上げ、奨学金制度の拡充を」と要望しました。