[2009.7.2] -[議会報告]
交野市財政健全化緊急プランの提言」には、福祉・教育施策の廃止・削減が多く含まれています。中上さち子議員は、「障がい者の入院食費助成廃止」や「就学援助の認定基準引き下げ」の中止を求めるとともに、交付金による財源確保が図られることからプランの見直しを求めました。
入院時の食事代は、平成6年に健康保険法が改悪され自己負担となりました。
しかし本市では、交野市身障者福祉会から「障がいに起因した疾病により入院することが多く、障がい者が大きな負担を負うことになる」と、助成継続を求める請願書が出され続けられてきました。1食あたりの助成額は100円~260円で、所得により異なります。(資料1・2)
平成18年の障害者自立支援法成立で、ホームヘルプやガイドヘルプまた補装具などの日常生活用具、そして施設入所などのサービス利用に1割負担が導入され、障がい者の負担は増え続けています。
日本共産党は、入院時の食事代助成廃止は障害者への新たな負担増であるとして、あたたかい施策の継続を市に求めました。
就学援助制度は、経済的理由で就学が困難と認められる児童・生徒に対し学用品などを援助するものです。
プランでは、これまで就学援助を受けられていた準要保護世帯(生活保基準に準じる低所得世帯)のうち、「持ち家」世帯への認定基準額を66万円引き下げるものです。(生活保護基準の借家加算が年額66万円のため)
これによって、就学援助を受けられていた「持ち家」世帯の約12%が受けられないと予想されます。
就学援助項目としては、学用品・郊外活動費・就学旅行費・給食費・医療費の一部などがあります。
小学校1年生では新入学用品などを含め7万円近く、中学校3年生では修学旅行費などを含め約13万円の援助があります。
子育て中の「持ち家」世帯の多くは、ローン返済を抱えているのが現状です。基準切り下げは、子育て世代に経済的負担を押し付けるものであり、子育てに逆行するものと言えます。
交野で安心して子育てができ、どの子も等しく教育を受けられるよう市は、就学援助認定基準の引き下げではなく、基準の引き上げこそ行うべきです。
国の平成21年年度の補正予算で、市町村に臨時交付金が措置されることになりました。(資料3)
市は交付金の活用について、緊急・必然性ある事業の予算化を考えています。プランでは、学校耐震化事業費として約5億2600万円をあげていますが、耐震診断費用については経済危機対策交付金が100%活用できます。また、22億円が見込まれている学校耐震工事総事業費についても、公共投資交付金を活用すれば市負担分は大幅に軽減されることになります。
日本共産党は、交付金で生まれた財源を使い、ゆうゆうバス・障がい者入院食費助成・就学援助制度などの継続を要望しました。