[2009.12.7] -[議会報告]
12月議会の初日、平成20年度決算について採決があり、日本共産党は「従来の市民生活切り捨て・市民負担増の路線を継続する市政運営であり、住民の暮らしと福祉を守る地方自治体本来の役割を発揮できていない」と決算認定に反対しました(日本共産党以外は賛成)。
市民生活切り捨て・市民負担増の中田市政
H16年からの財政健全化計画は市民負担増の連続
平成20年度は、世界的な経済危機の中、住民の暮らしと福祉を守る地方自治体本来の役割が、強く求められました。
しかし交野市の20年度の市政運営は、JR星田駅のエレベーター設置など、一部に前進がみられるものの、全体として、従来の市民生活切り捨て・市民負担増の路線を継続するものでした。
中田市政は、平成16年度から第1次財政健全化計画を実施し、平成20年度で5年を経過しました。この5年間で、市民サービスの切り下げ・市民負担増が次々に実施されてきました(表1)。これらの削減総額は、5年間で4億9千万円にもなります。
基金を活用すれば市民サービス切り下げの必要なし
一方、交野市の基金(積立金)は、20年度決算で25億2700万円余となり、予算時の見込より約6億8千万円多く残る結果となっています。この5年間の市民サービス切り下げ・負担増にあたる4億9千万円の削減を実施しなかったとしても、財政上問題がなかったことになります。このように、財政健全化を理由に、財政上必要とされる以上に、市民に負担を押し付ける市政運営が続けられてきました。
財政再生基準を上回ることはない
国の財政健全化法が平成20年度の決算から適用されます。交野市の財政状況は、実質赤字比率と連結実質赤字比率は赤字額がなく、問題がありません。また、実質公債費比率は15.5%で、早期健全化基準(25%)、及び財政再生基準(35%)を下回っています。
将来負担比率は323.5%で前年度より10%下がっています。将来負担比率は土地開発公社の負債が大きく影響しており、長期的な改善が必要ですが、将来負担比率には財政再生基準が決められていません。従って、交野市の財政は、基金を活用すれば、市民サービスの切り下げを行わなくても、財政再生基準を上回ることはないと考えられます。
第2次財政健全化計画は撤回・再検討を
市は現在、パブリックコメントの市民の多くの声を無視して、第2次財政健全化計画を策定しました。しかしこの計画は、平成19年度の決算をもとにしたもので、現在の市の財政状況と異なる面が多く出てきています。第2次財政健全化計画は、20年度決算に基づき、再検討すべきです。
従って、計画の実施時期は平成23年度からに延期し、その間に市民の知恵と意見を十分に取り入れていくべきです。第2次財政健全化計画の撤回と再検討を求めて、反対討論とします。