2月から廃プラの分別収集が始まりました。この廃プラを処理する北河内4市リサイクル施設から、高濃度の化学物質が排出され、周辺住民の不安が広がっています。
日本共産党のさらがいふみ議員は、3月議会の一般質問で、施設の安全性について、徹底的な調査と公表をおこなうべきだと求めました。
心配される環境・健康への影響
4市リサイクル施設では、収集した廃プラの選別・圧縮・梱包をおこないます。これまで施設側は、「この施設から出る有毒物質は微量で、活性炭を通せば90%除去される」と説明してきました。
ところが2月の稼動後、施設の排出する空気から高濃度のT―VOC(総揮発性有機化合物)が連日測定されています。T―VOCは、物質によっては、シックハウス症候群やぜんそく、光化学スモッグの原因物質になると言われています。施設では、T-VOCの自主管理目標を1400μg/・(寝屋川市役所屋上の数値)としていましたが、稼動後の数値はこれを大きく上回り、2月中に最大で約9倍の12000μg/・が測定されています。
この原因について、市は「カセットコンロのボンベやライターなどが混入していたことが原因ではないか。健康に心配はない」と答弁しましたが、とても納得できる説明ではありません。施設の安全性について徹底的な調査と公表が求められます。
4市施設で圧縮・梱包された廃プラのうち、ペットボトルは泉南市の業者、それ以外は、4市施設前の「リサイクルアンドイコール社」によって再商品化されます。イコール社が2005年に操業して以来、周辺住民に目が痛い、咳がとまらない、湿疹ができるなどの健康被害が広がっています。周辺住民は、裁判で工場の操業停止を求めています。
交野市の廃プラによって、周辺の健康被害を広げてはなりません。交野市としても、住民の声に真摯に耳を傾け、問題の解決に役割を果たすべきです。
4市施設から民間工場へ搬入された廃プラのうち、約半分しか再商品化することができません。また廃プラから作ったパレットなどの製品も、最終的にはごみとして焼却か埋め立てをするしかなく、コストがかかるわりに効率の悪いリサイクルしかできません。しかも、その過程で有害な化学物質が発生するため、いまの技術水準では、安心して再商品化できません。何よりも、廃プラの生産そのものを減らしていく対策こそが必要です。
4市施設の建設や運営の経費として、平成16年度から19年度までに計9432万円、20年度以降は毎年5千万から6千万円が必要となります。財政が厳しいからと、市民サービスの値上げや切捨てが進められるなかで、廃プラ処理事業を性急にすすめる必要があったのか、事前の安全性は十分だったのか疑問です。今後、施設のあり方そのものの見直しも含めて、 環境に負荷を与えないゴミ問題の解決が求められています。